A session held on August 21, 2024 at CEDEC 2024"Let's trace the movement of emotions - UX analysis using player journey maps". In this lecture, a workshop example of capturing player emotions from game play videos and a game development example of analyzing player emotions in real time were presented.
The speakers wereDaiki Satoi, an AI researcher in Square Enix's AI & Engine Development Division, and Shinya Yasuaki, a game designer in the company's Creative Studio 1. Mr. Satoi is a person who has been involved in the research and development of various game AI, introducing it into games such as ``KINGDOM HEARTS III'', and writing the book ``Square Enix's AI'' (Born Digital, 2024). Yasuaki is participating in multiple projects including ``FINAL FANTASY XVI''.
An emotional curve is a graphic representation of the movement of emotions over time using a curved line or line graph. This can be expected to have the effect of making it difficult for points to be misunderstood during discussions. In other words, it becomes easier to talk positively about things like, ``at this point in time,'' the intended ``level of excitement'' has not been reached, and I would like you to think about it with me. However, the emotional curve is not universal, and it is difficult to distinguish whether the excitement is due to the tempo created by multiple battles or whether it is due to anxiety. Therefore, Mr. Satoi proposes"UX analysis method". This involves picking up a number of noteworthy emotions, ``hypothetical emotions,'' and graphing them in terms of time axis and size to create a player journey map. Unlike the emotion curve, which was a graph that went up and down just depending on the level of excitement, this is an image of a graph divided into several emotions. In addition, the hypothetical emotions that should be noted will also change, such as expectations for victory and anxiety about defeat in battle-based games, and fear and anxiety in horror games. The big advantage is that the in-game events that influenced the rise and fall of the curve are clearly defined, making it easier to discuss things with the same understanding. Next, Yasuaki will present about the player journey map created in an in-house workshop. First, Case 1 has the theme of ``Why are battles so interesting?'' and was created under the following conditions while watching live gameplay of games already on the market. As shown in the slide below, the journey map is created by writing out events related to emotional movements and what the player said on sticky notes along the time axis, and then plotting the hypothetical emotions at the times when the sticky notes were attached. and graphed it. このバトルの構成はおおまかに3つのフェーズに分かれており,その間にクイックタイムイベント(表示されたボタンを時間内に押すイベント。いわゆるQTE)を含んだカットシーンが2回入るという構成だ。 興奮の度合いは細かく上下しつつも右肩上がりに高まっており,「勝利への期待感+敗北への不安感と相関関係がある」という仮説が得られた。このことから,勝利の期待感と敗北の不安感は,バトル中のプレイヤーの興奮度合いの分析に有用な指標だと考えることができる。 ……と,感覚的には当たり前とも思える話が導き出されたが,この「当たり前」と思うポイントこそが,開発者それぞれの認識がズレがちなポイントでもある。冒頭に紹介した「大技の修正」や,「そういう系の怖さじゃない」という例がまさにそれで,お互いの「当たり前」のズレから非効率なやり取りが発生している。後者の例で「雰囲気で怖くする」認識が一致していたとしても,それが時間軸として断続的なジワジワ系か,突発的なビックリ系かがズレてしまえば「違う! そうじゃない」という結果になるだろう。 同様に事例2では「なぜ“怖い”?」,事例3では「チームプレイの共闘感とは?」,事例4では「初心者と上級者は何が違う?」というテーマでジャーニーマップや2次元感情マップ(勝利への期待感と敗北への不安感の2軸で表される感情の動きを座標化したもの)が作成され,プレイヤーの感情の動きのきっかけや,感情の大きさを分析し,そこから仮説を導き出していた。 このように,プレイヤージャーニーマップは時間の流れを伴った感情分析に向いている。一方で2次元感情マップは2者の感情遷移の傾向を比較しやすい利点があり,使い分けることが大事なこともわかる。 要点としては以上だが,事例のより詳しい情報はSEDiLのこちらのページ(外部リンク)から閲覧できる。閲覧には会員登録が必要となるが,深く知りたい人は目を通してみてほしい。 プレイヤーの感情を動的に分析し活用するここまでは静的(スタティック)な感情の分析の例だったが,プレイヤーの感情を動的(ダイナミック)に,リアルタイムに分析すれば,その結果をゲームで即座に反映することができる。里井氏が関わった「KINGDOM HEARTS III」はインタビューなどでAIに力を入れたことが語られていたタイトルであり,この考え方が取り入れられた作品のひとつと見ていいだろう。 例えばゲームデザイン側の意図として,「あらゆるプレイヤーが苦戦しつつも乗り越えられるボス戦を演出したい!」というものがあったと仮定しよう。実際のプレイヤーはさまざまなゲームの遊び方・進め方をしており,保有する戦力は一定ではないため,なかなか調整が難しい。そうした課題を解決する際に,動的な感情分析と反映の手法を活用できる。 感情を揺さぶるためには,現在のプレイヤーの感情を数値として計算しなくてはならない。これは前述した,敗北への不安感(Fear)と勝利の期待感(Hope)の軸をクロスさせた2次元感情マップ上で求められる。 たとえば,プレイヤーのHPが低い,あるいは敵の攻撃を頻繁に受けているときほど敗北への不安感は大きく,逆に敵のHPが残りわずかなときや,敵に効果的な攻撃を当てているときほど,勝利への期待感が大きいと考えられる。それらのさまざまな要因を合算して,プレイヤーの感情を推測するわけだ。 そして推測したプレイヤーの感情を見て,敵の行動を調整していく。ただ,あからさまに調整すると不自然なので,プレイヤーの感情を最終的に導きたい座標(苦戦しているが乗り越えられそう,など)と,現在の座標の中間点に導くように調整し,徐々に近づけていく。 そして実際に感情を揺さぶることができたのか,効果の確認も行った。プレイテストで収集したデータを可視化したところ,ほとんどの場合で支配的な感情が入れ替わっており,実際に揺さぶられていたと確認できたという。 ちなみに効果測定には「思考発話法」,つまりプレイヤーがその時に感じた感情を自己申告して行っているそうで,そこには個人差があることに留意する必要がある。確認の精度を高めるには,複数のサンプルを比較するなどの方策が必要だろう。 最後に,意図通りのリアルタイムの難度調整になっているかも検証。こちらはゲームが比較的得意な人も,苦手な人も,ほぼ全員がリトライなしか1~2回のリトライでクリアに至った。主観的な感想のアンケートでも,少し苦戦したが楽しめたという評価が多かった。 こうして演出意図に基づいたリアルタイム調整は,少なくとも開発者10人で行ったテストにおいては,その有効性が確認できたわけである。 里井氏は最後に,プレイヤージャーニーマップを用いることで以下のメリットがあることを伝えた。 ひとつは開発者の潜在的な考えを明確な仮説にし,共有できること。もうひとつは,感情の推移や理由に対する意見を洗い出しやすくすること。それらによって円滑な議論が進めやすくなり,さらなる仮説やノウハウを見つけられる可能性が高まる。 また抽象的な感覚の言語化や計測が可能になることも挙げた。ゲームのコンセプトは「共闘感が味わえ,みんなで盛り上がれるゲーム」「誰もが苦戦しつつも乗り越えられるアクション」などと抽象的に表現されることが多いため,認識のすり合わせが難しい。こういった課題を解決するための叩き台にできるわけだ。 さらに,これはゲームデザイナー側からも応用できる。実現したいプレイヤージャーニーマップから逆算して,意図する展開と想定感情を明確化できるため,認識のすり合わせや,意図通りの実装であるかの検証に便利らしい。 ちなみに分析に使う場合はイベントマッピングを細かく行い,企画に使う場合は感情の動きを細かく行うというように,用途によって軸の解像度を変えたほうがうまく機能するとのことだ。 なお里井氏は現在,感情だけでなくプレイヤースキルをリアルタイムで分析し,難度の動的な変化や,レベル(ここでは課題やステージの意味合い)の自動生成を行う取り組みも進めているとのこと。 UX分析手法はおそらくいろいろなゲーム開発に応用できるものだが,まだ使用した事例は少ない。この手法を用いたより多くの分析と情報共有を求めつつ,本セッションは締めくくられた。 |
The above is the detailed content of User experience analysis can be used for game development and dynamic difficulty adjustment. UX analysis methods and usage examples using player journey maps [CEDEC 2024]. For more information, please follow other related articles on the PHP Chinese website!